「日本の広告費2025の数字を、SNSや動画の予算計画に使いたい」「ネット広告が伸びていると聞くが、自社の配分をどう変えるべきか分からない」。広告市場の資料を読んでも、そのまま自社の計画へ移せるわけではなく、判断に迷うことがあります。
広告費の統計は、国内でどの媒体へ支出が向いているかを把握する資料です。一方で、広告費が多い媒体が、自社にとっても効率のよい媒体とは限りません。市場全体の動きと、顧客との接点や制作体制を分けて考えることが大切です。
この記事では、電通「2025年 日本の広告費」を土台に、総広告費、インターネット広告、ソーシャル広告、動画広告の数字を整理します。さらに、媒体選び、予算の見直し、制作と計測の準備へ落とし込む手順を解説します。結論は、市場の伸びを配分の正解として使うのではなく、現在の計画を見直すきっかけにすることです。数字の定義を確認し、自社が検証すべき仮説とセットで社内提案へまとめましょう。
SNS・動画・広告の集客のご相談はAimAgencyへ お問い合わせはこちら →
日本の広告費2025からSNS・動画の動きを読む
総広告費は市場全体の背景として使う
電通の「2025年 日本の広告費」によると、2025年の総広告費は8兆623億円、前年比105.1%でした。自社の予算を考える際は、国内の広告市場全体がどのような状態だったかを示す背景として使えます(2025年 日本の広告費)。
この総額は、自社が広告へ使うべき金額を示すものではありません。事業の規模、利益、顧客の検討期間によって、適した配分は異なります。市場の伸びと自社の予算増額を、そのまま結びつけないようにしましょう。
対象年と発表時点を区別する
資料を使うときは、どの年の広告費を集計したものかを明記します。資料を読んだ時点と、対象となる年は同じとは限りません。新しい発表を紹介する際も、数字が示している期間を残します。
社内資料の見出しには対象を、数字の近くには出典を置きます。抜粋して共有された場合にも、何を示す値かが分かるようにするためです。発表の内容と担当者の解釈を分けることで、資料の根拠を追いやすくなります。
統計を読むときの確認項目をそろえる
広告費を比較する際は、対象の年、媒体の区分、費用に含まれる範囲を確認します。似た言葉でも、別の調査では対象が異なる可能性があります。資料に書かれていない区分や比率を、独自に補って説明しないようにしましょう。
特に、SNSに関わる施策には、広告配信以外にもアカウント運用やインフルエンサーへの依頼などがあります。広告費の統計と、それらを含む別の市場調査を同じものとして扱わないことが大切です。何を検討する資料なのかに合わせて使い分けます。
インターネット広告費2025の位置づけ
総広告費に占める割合を確認する
同発表によると、インターネット広告費は4兆459億円、前年比110.8%で、総広告費に占める割合は50.2%でした。インターネット広告が総広告費の半分を超えたことは、予算の配分を検討する際の大きな論点です(電通の発表)。
ただし、広告費の割合と、生活者が使う時間の割合は同じではありません。費用の統計だけから、すべての顧客接点がネットへ移ったと断定しないようにします。実際の顧客の行動を、自社の情報と合わせて確認しましょう。
ネット広告の中でも役割を分ける
検索して調べている人へ伝える広告と、SNSを見ている人へ関心を作る広告では、役割が異なります。インターネットという大きな区分だけで予算を決めず、どの段階の疑問へ答えるのかを考えます。媒体を増やすことより、役割の不足を見つけることを優先しましょう。
自社の現状は、認知、比較、問い合わせ、購入といった流れに沿って整理できます。どこで情報が途切れ、どこで行動が止まるかを調べます。広告費の配分を変える前に、ページや問い合わせ対応の改善で解決すべき課題がないかも確認します。
過去の予算を踏襲していないか点検する
予算の配分が以前のままでも、問題があるとは限りません。ただし、顧客の接点や自社の目的が変わっているのに、検討せず継続しているなら見直す余地があります。継続する理由と変更する理由の両方を整理しましょう。
社内では、媒体名ごとの予算だけでなく、それぞれが担う役割を記録します。前年と同じ配分にする場合も、その役割が現在の事業に合うかを確認します。配分の変更自体を成果にせず、求める行動との関係から判断します。
動画広告とソーシャル広告の市場をどう捉えるか
動画とSNSの数字をそのまま足さない
電通の詳細発表によると、動画広告費は1兆275億円、ソーシャル広告費は1兆3,067億円、前年比118.7%でした(電通の詳細発表)。
動画とソーシャルは異なる切り口の区分であり、そのまま足して独立した市場の合計として扱うことは避けます。
動画は表現形式、ソーシャルは広告が届く場という違いがあります。SNS上で動画を使う広告も考えられるため、区分の重なりを確認する必要があります。自社の予算表でも、素材制作の費用と広告配信の費用を混同しないようにします。
支出の伸びを自社の成果と同一視しない
広告費の伸びは、その領域への支出が拡大したことを示します。すべての広告主の成果が同じように伸びたことや、広告を出せば採算が合うことを示すものではありません。市場の数字から言える範囲を超えないことが重要です。
自社では、広告への反応と、その後の成果を確認します。クリックを集めても、ページの説明が合わなければ購入につながりにくくなります。市場の動向を知ることと、成果が生まれる導線を作ることを別の作業として進めましょう。
動画制作は伝える内容から考える
動画を用意する際は、まず何を見せると理解が進むかを考えます。使う場面、商品の仕組み、選ぶ際の疑問など、映像で説明する意味がある内容を選びます。動きがあること自体を、広告の価値と考えないようにしましょう。
縦型動画でも、冒頭の関心と後半の説明をつなげる必要があります。視聴者が何の商品か分からないまま見終わらないかを確認します。字幕や音声も含め、広告から遷移先へ内容が一貫しているかを点検します。
SNSの利用状況を媒体選びに使うときの注意点
利用率と広告で届く対象を分ける
総務省の令和7年版情報通信白書では、LINEの利用率が94.9%であることなど、SNSの利用状況が示されています。利用者の広がりを把握する資料ですが、その値を自社広告の到達見込みとして使うわけではありません(令和7年版情報通信白書)。
媒体を使っていることと、自社の商品に関心があることは別です。利用率を見て候補を広げた後、顧客が何を見て検討するかを調べます。自社の問い合わせ内容や既存施策の傾向など、確認できる情報と合わせて判断しましょう。
属性だけで内容の好みを決めない
SNSは若い人だけのものと決めつけず、実際の利用状況を確認することが大切です。一方で、年代が合うからと同じ表現が通用すると考えないようにします。生活場面や知りたい情報、検討段階も広告の内容へ関係します。
XとInstagramなど、媒体が違えば情報の受け取り方も異なります。使い回す素材でも、読む量、見せる順番、次の行動がその場に合うかを確認します。形式の違いを、単なるサイズ変更だけで対応しようとしないことが必要です。
媒体の選択は運用できる体制も含める
候補の媒体を増やすと、素材、設定、確認、報告の作業も増えます。自社の担当者が結果を見て改善できる範囲から始めましょう。媒体の数を増やすことと、顧客への説明を充実させることを分けて考えます。
外部へ任せる場合も、商品情報の確認や成果の定義は社内に残ることがあります。どの作業を誰が担うかを整理し、確認待ちが起こらない流れを作ります。広告費だけでなく、実施を支える作業まで含めて媒体を比較します。
自社の広告予算へ落とし込む具体的な手順
現在の配分と課題を一覧にする
最初に、媒体ごとの費用、目的、主な素材、遷移先、成果の定義を並べます。費用だけの表では、重複している役割や不足している説明が分かりません。各施策が何を担っているのかを確認しましょう。
次に、課題を配信、素材、遷移先、計測、対応体制へ分けます。クリック後の離脱が大きいなら、追加配信よりページの改善が先かもしれません。予算を増やす判断と、既存の費用を生かすための改善を分けて検討します。
増額する案以外も比較する
| 選択肢 | 検討する場面 | 確認すること |
|---|---|---|
| 現状を継続 | 役割と成果が合っている | 条件が変わっていないか |
| 配分を変更 | 役割の重複や不足がある | 変更の影響を比較できるか |
| 素材を改善 | 関心を作れていない | 訴求の仮説が明確か |
| 遷移先を改善 | 訪問後に行動が止まる | 説明と操作に問題がないか |
| 新しい媒体を検証 | 別の接点を調べたい | 制作と計測を準備できるか |
市場の伸びは、選択肢を見直す材料として使います。増額以外の案も並べると、事業の課題と支出の関係を説明しやすくなります。どの案を選んでも、何を確かめる変更なのかを残しましょう。
検証する範囲と判断条件を決める
新しい媒体や形式は、結果を追える範囲から検証します。比較する期間、対象、予算の変更、素材の内容を記録します。条件が違う場合は、数値の差を媒体だけの効果として扱わないようにします。
継続、修正、保留の条件も先に決めます。成果の量だけでなく、質、確認の負担、社内の対応量を含めて考えます。商談や継続購入など、まだ確認できていない成果は、見込みとして別に整理しましょう。
統計の理解から配分の判断へは、自社の現状整理と検証を挟みます。図の流れを使い、市場の数字をそのまま予算比率へ置き換えない計画にします。

テレビとSNS・動画を組み合わせる考え方
媒体ごとの役割と次の接点を決める
テレビなどの媒体とSNSは、どちらかだけを選ぶ以外に、役割を分けて使う考え方があります。番組や広告で知り、SNSで詳しい情報を見るというように、次の接点を想定します。ただし、利用者が実際にその順番で動いたかは、確認できる範囲で評価します。
同じ内容を各媒体で繰り返す場合も、何を補うための接触かを考えます。認知を作る場と、使い方や比較の疑問へ答える場を分けると、素材の役割が明確になります。媒体を足すことより、情報がつながることを優先しましょう。
切り抜きや再編集は権利と文脈を確認する
番組や動画をSNSへ展開する場合は、素材、出演者、音源などの利用範囲を確認します。元の媒体で使えたものが、ほかの媒体でも使えるとは限りません。利用する期間、編集の範囲、広告配信での扱いを整理します。
切り抜きによって、発言や説明の意味が変わらないかも確認します。短くするために重要な条件を落とさないようにしましょう。広告やタイアップの関係がある場合は、広告であることを明示する前提で表示も点検します。
成果の重複と影響を分けて評価する
複数の媒体へ接触した人が購入した場合、それぞれの媒体に同じ成果が記録されることがあります。各画面の成果を足すだけでは、実際の購入と合わない可能性があります。社内の成果記録と照らして、評価する範囲を決めます。
直接の購入が見えない媒体でも、役割がなかったと即断しないことが大切です。一方で、関係が確認できない成果まで都合よく含めないようにします。確認できた事実と、影響が考えられる変化を分けて報告します。
予算計画でよくある失敗と確認リスト
市場と同じ割合に予算を合わせる
市場全体の構成比は、さまざまな業種や目的を含む結果です。自社の顧客や利益の条件が違う以上、その比率を正解として使うことはできません。市場の数字は、今の配分に検討漏れがないかを見る材料として使います。
提案には、なぜその媒体を選ぶのか、何を変えるのかを記載します。統計の紹介だけで終わらず、自社の目的と計測の準備へつなげましょう。根拠の種類が違う情報を、同じ強さで断定しないことも重要です。
広告費だけ増やして制作が追いつかない
素材の追加や修正に時間がかかる状態では、配信だけを増やしても検証の幅が広がりません。訴求の案、制作の体制、承認の流れを確認します。配信費を決める前に、必要な素材を準備できるかを調べましょう。
制作では、何を比べる素材なのかを明確にします。似た内容の見た目違いばかりを増やすより、対象の疑問に応じた切り口を用意します。生成支援を使う場合も、人による事実と表現の確認を工程へ含めます。
社内提案の確認事項を整理する
- 数字の対象年、区分、出典が明記されているか。
- 市場の動向と自社の成果予測を分けているか。
- 媒体ごとの目的と遷移先が決まっているか。
- 制作、確認、計測、問い合わせ対応を準備できるか。
- 比較条件と継続・修正の判断基準があるか。
承認後にも、この一覧を実施の準備として確認します。予算が決まったことと、配信できる状態になったことは別です。未完了の項目は担当と対応を決め、実施後に評価できる条件を整えましょう。
変更後の確認と引き継ぎまで予定に入れる
予算の変更を実施したら、予定どおりの対象へ配信されているか、素材やページが正しいかを確認します。その後に、当初の仮説に対する結果を評価します。配信開始時の動作確認と、一定の観察を経た成果の評価を別にしておくと、確認漏れを減らせます。
担当者が変わる場合は、予算の総額だけでなく、各媒体の役割と配分を変えた理由を引き継ぎます。理由が残っていないと、同じ統計を読み直して計画を作り直す負担が生じます。試した条件と、次に見直す条件まで記録しましょう。
市場の資料を更新するときは、新しい数値だけを差し替えるのではなく、区分や調査対象が変わっていないかも確認します。以前の判断と前提が異なる場合は、その違いを示します。数字の更新と、自社の配分を変える判断は分けて進めることが大切です。
よくある質問
Q. ネット広告の比率に合わせて自社予算も変えるべきですか?
そのまま合わせる必要はありません。顧客、商品、目的、制作体制によって適した配分は変わります。市場の数字は、現在の計画を見直す入口として使いましょう。
Q. 動画広告費とソーシャル広告費は足せますか?
区分の切り口と重なりを確認せず足すことは避けます。動画は形式、ソーシャルは場という違いがあります。元資料の定義に沿って別々に説明してください。
Q. SNSの利用率が高ければ成果も期待できますか?
利用していることと、自社の商品へ関心があることは別です。対象の疑問と商品の適合、広告の表現、遷移先まで確認します。利用率を到達や購入の予測へ直接置き換えないようにしましょう。
Q. 予算が限られる場合は何から始めればよいですか?
現状の課題を分け、影響が見込めて検証できる作業から選びます。素材や遷移先の改善が先になることもあります。媒体を増やす前に、既存の導線を確認してみてください。
まとめ
- 日本の広告費は、市場の支出構造を知る資料として使う。
- インターネット広告の比率を自社予算の正解へ置き換えない。
- 動画とソーシャルは区分の違いを確認して読む。
- 配分は顧客、素材、遷移先、計測、体制から考える。
- 検証の条件を残し、成果の量と質から継続を判断する。
市場の数字と自社の現状を並べ、次に確認したい課題を明確にするところから始めましょう。
AimAgencyにご相談ください
AimAgencyは、AI×映像クリエイティブに特化したチームです。最新の生成AIと映像制作のノウハウを掛け合わせ、広告・SNS向けの動画を、企画から量産、配信後の改善まで一気通貫で手がけます。

- AIで、速く・たくさん:高品質なAI動画を短いサイクルで量産し、広告のABテストやSNSの投稿本数を支えます。
- テイストは自在:実写ドラマ風・アニメ風から縦型ショートドラマまで、目的に合わせて作り分けます。
- 作って終わりにしない:SNS運用・広告運用と連動し、配信結果を次のクリエイティブに生かします。
「日本の広告費 2025 SNS 動画」の壁打ちからでもお気軽にどうぞ。